2014年09月01日
3000m突破に挑戦 前穂高岳 (重太郎新道コース) (5) 下山&岳沢小屋
戻りは登ってきた道を引き返して一気に900mの標高差を降ります。
体の疲れはそれほど感じないのですが、膝にはかなりきています。
今回の重太郎新道は遭難というか滑落事故多発地点なのですが、その大部分が降りに起こっています。
ということで、膝の負担軽減もさることながら万一の事故も無いように慎重に時間をかけて降りていきます。
時々岩を掴んだ気になっているつもりで掴んでなかったりということがあり、「あれ~、やっぱり疲れているのかな?」などと思います。
それでも途中のビューポイントで休みを挟みながら着実に降りていきます。
紀美子平より吊尾根

奥穂山頂がガスで覆われるようになってきました。
雷鳥広場から山頂方面

山頂での絶景が脳裏によみがえります。
岳沢パノラマ

ここも良い景色だよな~
あと少しで「カモシカの立場」、という場所で登山道に座り込んでいるお兄ちゃんを発見(時刻は13:40頃)。
「怪我でもしたのかな?」と思って近づいていくと
「山頂まであとどれくらいですか?」
(おいおい、今から登るの?こんな所でへばっているようじゃ山頂までどれくらいかかることか...下山する頃には暗くなってるよ)
と思ったので。
「まだ1/3くらいかな」と言うと、
「やめた!引き返そう」と降っていきました。
このお兄ちゃんも自分と同じ岳沢小屋泊まりだったので、後で色々聞いたのですが、
・小屋を出発したのが12時頃(お、遅い)
・塩尻に住んでいて(アルプスに近いなあ。うらやましい)、ごく最近山を始めた(それでいきなり穂高っすか...(゚∀゚*)
明日改めて前穂に挑戦するとのことなので、とりあえずアドバイス(できるほどの経験は無いが)や色々とグッズ関係の相談をしたりしました。
正直なところ穂高は早いのではないかとは思ったのですが...
もちろん、初穂高の自分でも登れたのですから、お兄ちゃんが登れる可能性はあります。
ですがトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
そこで生きるのが「経験」とか「スキル」とか言われるもので、それによってトラブルとの遭遇を回避したり、遭遇してもうまく切り抜けたりできるものだと思います。
お兄ちゃんにはそれが決定的に不足しているような気がします(あと、知識と事前調査も不足かな。辛口です)。
少なくとも自分は「アルプスの岩山の練習になる」と言われる右田ヶ岳の岩場コースで自分なりの訓練を繰り返してきましたし、入念に下調べもしました。
彼とは翌日の朝、登頂の成功を祈って別れたのですが、どうなったか?
それはさておき、下山の途中に戻りましょう。

カモシカの立場も過ぎ、例の長梯子と狭い岩場を通過して少し降ると、ほぼ安全地帯となります。
このあたりまで来るとホッと気も緩んで頭の中にあるのは小屋で飲むビールのことばかり。
(小屋に着いたらすぐにビールだな)
(いや、まず受付をして荷物を置かないと)
(確か生ビールがあったみたいだけどいくらかな。高そうだけどやっぱり生がいいな)
など、雑念が湧いて足も次第に速まります。
そしてついに小屋に到着!

受付を済ませて荷物を部屋においてから、そそくさと再び受付に駆けつけ生ビールを注文(800円也)
テラスで景色を眺めながら満足感、幸福感に浸って飲むこの一杯!

クゥゥ~、たまりません。
ウマいっ!
さて、生を飲んでひと息ついたところで、本日のお宿である岳沢小屋の紹介です。
ここには以前「岳沢ヒュッテ」という施設があったのですが、2006年に雪崩により全壊。
2010年に槍ヶ岳山荘を経営する企業により「岳沢小屋」として再建されました。
定員は60名。
完全予約制で飛び込みお断り(空きがあれば泊めてもらえるかも?)。
逆に予約していれば1人1枚の布団は確保されるシステムで、よく聞く布団1枚に2人とか3人とかいうことはありません。
小屋の全景です。

真ん中が管理棟+食堂
左のテラスや真ん中手前のテーブルからは霞沢岳、乗鞍岳、焼岳、上高地を見ることができます。
これらは宿泊者でなくても利用可能です。
テラスではテン泊の人たちが食事をしていて、色々お話しすることができました。
当日のテントは5~6張だったでしょうか。
ちなみにテン場は小屋の周囲に分散している感じで公式には30張分あるみたいです。
宿泊棟は上の段です。
宿泊部屋の数は中部屋(7.5畳など)が6つ+談話室1つです。

談話室の大きさは宿泊部屋と同じで、宿泊用としても使われており当日は数名の方が宿泊していました。
部屋の窓からはテラス同様の景色を見ることができます。

自分は7.5畳の部屋で少し年上かなと思えるおじさん2人組と相部屋でした。
1人当たり2畳以上ありますのでとてもゆったり。
前日、当日と晴れだったので布団も乾燥しており爆睡できました。
ちなみにおじさん2人組は宮崎から来られた方たちで、休みを固めて取ってあちこち登っているみたいでした(いいなあ)。
携帯はドコモとauはつながります。
食事はアルプスの山小屋としては標準レベルだと思います。
食堂は20名くらいが定員で、当日の宿泊者は15名前後なので、ローテーションは無しです。
夕食(17:00~)

メインは白身魚のフライとチキンステーキ?です。
朝食(5:00~)

(ちょっと手をつけた後です)
どっちも一番乗りでありつきました。
料金は
1泊2食付 9500円(+1000円で弁当)
素泊り 6500円
テント 1000円
です。
ところで、タイムテーブルです。
5:55 河童橋
6:12 登山口
6:47 風穴
8:00 岳沢小屋
8:37 長梯子
8:55 カモシカの立場(8分休憩)
9:33 岳沢パノラマ(10分休憩)
10:17 雷鳥広場
10:37 紀美子平(8分休憩)
11:20 前穂山頂(30分滞在)
12:25 紀美子平(8分休憩)
12:50 雷鳥広場
13:15 岳沢パノラマ
13:48 カモシカの立場
14:04 長梯子
14:30 岳沢小屋
(つづく)
体の疲れはそれほど感じないのですが、膝にはかなりきています。
今回の重太郎新道は遭難というか滑落事故多発地点なのですが、その大部分が降りに起こっています。
ということで、膝の負担軽減もさることながら万一の事故も無いように慎重に時間をかけて降りていきます。
時々岩を掴んだ気になっているつもりで掴んでなかったりということがあり、「あれ~、やっぱり疲れているのかな?」などと思います。
それでも途中のビューポイントで休みを挟みながら着実に降りていきます。
紀美子平より吊尾根
奥穂山頂がガスで覆われるようになってきました。
雷鳥広場から山頂方面
山頂での絶景が脳裏によみがえります。
岳沢パノラマ
ここも良い景色だよな~
あと少しで「カモシカの立場」、という場所で登山道に座り込んでいるお兄ちゃんを発見(時刻は13:40頃)。
「怪我でもしたのかな?」と思って近づいていくと
「山頂まであとどれくらいですか?」
(おいおい、今から登るの?こんな所でへばっているようじゃ山頂までどれくらいかかることか...下山する頃には暗くなってるよ)
と思ったので。
「まだ1/3くらいかな」と言うと、
「やめた!引き返そう」と降っていきました。
このお兄ちゃんも自分と同じ岳沢小屋泊まりだったので、後で色々聞いたのですが、
・小屋を出発したのが12時頃(お、遅い)
・塩尻に住んでいて(アルプスに近いなあ。うらやましい)、ごく最近山を始めた(それでいきなり穂高っすか...(゚∀゚*)
明日改めて前穂に挑戦するとのことなので、とりあえずアドバイス(できるほどの経験は無いが)や色々とグッズ関係の相談をしたりしました。
正直なところ穂高は早いのではないかとは思ったのですが...
もちろん、初穂高の自分でも登れたのですから、お兄ちゃんが登れる可能性はあります。
ですがトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
そこで生きるのが「経験」とか「スキル」とか言われるもので、それによってトラブルとの遭遇を回避したり、遭遇してもうまく切り抜けたりできるものだと思います。
お兄ちゃんにはそれが決定的に不足しているような気がします(あと、知識と事前調査も不足かな。辛口です)。
少なくとも自分は「アルプスの岩山の練習になる」と言われる右田ヶ岳の岩場コースで自分なりの訓練を繰り返してきましたし、入念に下調べもしました。
彼とは翌日の朝、登頂の成功を祈って別れたのですが、どうなったか?
それはさておき、下山の途中に戻りましょう。
カモシカの立場も過ぎ、例の長梯子と狭い岩場を通過して少し降ると、ほぼ安全地帯となります。
このあたりまで来るとホッと気も緩んで頭の中にあるのは小屋で飲むビールのことばかり。
(小屋に着いたらすぐにビールだな)
(いや、まず受付をして荷物を置かないと)
(確か生ビールがあったみたいだけどいくらかな。高そうだけどやっぱり生がいいな)
など、雑念が湧いて足も次第に速まります。
そしてついに小屋に到着!
受付を済ませて荷物を部屋においてから、そそくさと再び受付に駆けつけ生ビールを注文(800円也)
テラスで景色を眺めながら満足感、幸福感に浸って飲むこの一杯!
クゥゥ~、たまりません。
ウマいっ!
さて、生を飲んでひと息ついたところで、本日のお宿である岳沢小屋の紹介です。
ここには以前「岳沢ヒュッテ」という施設があったのですが、2006年に雪崩により全壊。
2010年に槍ヶ岳山荘を経営する企業により「岳沢小屋」として再建されました。
定員は60名。
完全予約制で飛び込みお断り(空きがあれば泊めてもらえるかも?)。
逆に予約していれば1人1枚の布団は確保されるシステムで、よく聞く布団1枚に2人とか3人とかいうことはありません。
小屋の全景です。
真ん中が管理棟+食堂
左のテラスや真ん中手前のテーブルからは霞沢岳、乗鞍岳、焼岳、上高地を見ることができます。
これらは宿泊者でなくても利用可能です。
テラスではテン泊の人たちが食事をしていて、色々お話しすることができました。
当日のテントは5~6張だったでしょうか。
ちなみにテン場は小屋の周囲に分散している感じで公式には30張分あるみたいです。
宿泊棟は上の段です。
宿泊部屋の数は中部屋(7.5畳など)が6つ+談話室1つです。
談話室の大きさは宿泊部屋と同じで、宿泊用としても使われており当日は数名の方が宿泊していました。
部屋の窓からはテラス同様の景色を見ることができます。
自分は7.5畳の部屋で少し年上かなと思えるおじさん2人組と相部屋でした。
1人当たり2畳以上ありますのでとてもゆったり。
前日、当日と晴れだったので布団も乾燥しており爆睡できました。
ちなみにおじさん2人組は宮崎から来られた方たちで、休みを固めて取ってあちこち登っているみたいでした(いいなあ)。
携帯はドコモとauはつながります。
食事はアルプスの山小屋としては標準レベルだと思います。
食堂は20名くらいが定員で、当日の宿泊者は15名前後なので、ローテーションは無しです。
夕食(17:00~)
メインは白身魚のフライとチキンステーキ?です。
朝食(5:00~)
(ちょっと手をつけた後です)
どっちも一番乗りでありつきました。
料金は
1泊2食付 9500円(+1000円で弁当)
素泊り 6500円
テント 1000円
です。
ところで、タイムテーブルです。
5:55 河童橋
6:12 登山口
6:47 風穴
8:00 岳沢小屋
8:37 長梯子
8:55 カモシカの立場(8分休憩)
9:33 岳沢パノラマ(10分休憩)
10:17 雷鳥広場
10:37 紀美子平(8分休憩)
11:20 前穂山頂(30分滞在)
12:25 紀美子平(8分休憩)
12:50 雷鳥広場
13:15 岳沢パノラマ
13:48 カモシカの立場
14:04 長梯子
14:30 岳沢小屋
(つづく)
Posted by あいあん at 22:03│Comments(4)
│山登り
この記事へのコメント
こんばんは~。
3000メートル超えおめでとうございます。
小屋も宿泊が15人位とは凄くいい感じで泊まれたでしょうね。
また料理も美味しそうで・・・。
冷池山荘も美味しかったですがこちらの料理の方が私的には好みかな(笑)
無事登り終えた安堵感の中飲むビールは最高だったでしょうね~。
3000メートル超えおめでとうございます。
小屋も宿泊が15人位とは凄くいい感じで泊まれたでしょうね。
また料理も美味しそうで・・・。
冷池山荘も美味しかったですがこちらの料理の方が私的には好みかな(笑)
無事登り終えた安堵感の中飲むビールは最高だったでしょうね~。
Posted by きたちゃん
at 2014年09月01日 22:22

●きたちゃん
>3000メートル超えおめでとうございます。
ありがとうございます。
これで次回から標高にこだわらず目標の山が選べます(笑)
今回は登山道もかなりすいてました。
ネット情報では、梯子や狭い岩場で待たされるみたいな話があったのですが、そういうのは一切無しでした。
小屋もゆったりで、前回の太郎平小屋ではあまり眠れなかったのですが、今回は7時過ぎには爆睡してました。
もっちろんビールは最高でしたよ
>3000メートル超えおめでとうございます。
ありがとうございます。
これで次回から標高にこだわらず目標の山が選べます(笑)
今回は登山道もかなりすいてました。
ネット情報では、梯子や狭い岩場で待たされるみたいな話があったのですが、そういうのは一切無しでした。
小屋もゆったりで、前回の太郎平小屋ではあまり眠れなかったのですが、今回は7時過ぎには爆睡してました。
もっちろんビールは最高でしたよ
Posted by あいあん
at 2014年09月01日 22:44

素晴らしい風景ですがファミリー登山にはチト辛そうです・・・
先日烏帽子岳でも山と高原地図の標準時間の倍かかりました。
当面は近隣の山々でトレーニングしなければ・・・(汗)
先日烏帽子岳でも山と高原地図の標準時間の倍かかりました。
当面は近隣の山々でトレーニングしなければ・・・(汗)
Posted by koutarou
at 2014年09月02日 23:15

●koutarouさん
そうですね~、やっぱり穂高はファミリーには敷居が高いかもです。
北アルプスでも初心者向けの山はいくつかありますから、そちらが良いかも。
そういう所にはファミリー登山者も多いみたいですよ。
そうですね~、やっぱり穂高はファミリーには敷居が高いかもです。
北アルプスでも初心者向けの山はいくつかありますから、そちらが良いかも。
そういう所にはファミリー登山者も多いみたいですよ。
Posted by あいあん
at 2014年09月03日 21:24
