2015年07月29日
槍ヶ岳とアルプス縦走 2 <苦闘!>
槍沢ロッヂから先は槍ヶ岳山頂近くまで山小屋はありません(コースタイム約5時間)。
ここまで平面距離では行程の2/3以上来ているのですが標高差では1/5(1500m→3100mのうち300m)しか稼いでいません。
ということで、ここから先はかなり厳しいと予想されるので、槍沢ロッジでヘリの荷揚げ(冷蔵庫も揚げてました)など見物しつつ30分の大休止。

槍沢ロッジから少し進んだ所にこんな場所が。

後で聞いたところでは字が書いてある岩に登ると槍ヶ岳が見えるんだそうです。
(さすがにこの日はガスって見えなかったと思いますが)
さらに進むとババ平のテン場があります。

ここから先では雪渓が間近に見えるようになります。

ただし、こんな場所もあるのでうかつに雪面上を歩き回ってはいけません。

と思っていたら、出ました!

雪渓歩き。
数百メートルが2ヶ所。
滑らないように注意して慎重に足を踏み出さないといけないので結構疲れます。
2ヶ所の雪渓を超えたあとはかなりの疲労感を覚えました。
しかもこのあたりから傾斜も急になってきて少し登っては休みの繰り返し。
周囲の景色はアルプスらしさを増してきましたが、槍ヶ岳はいったい何時になったら見れるんだろうか?


道端にはお花畑が広がり心を癒やしてくれます。


ミヤマダイコンソウ

ミヤマキンポウゲ

シナノキンバイ
花を見ながらひと息入れて、さてと立ち上がり歩き始めましたが体が重い。
ザックもなんでこんなに重いかなあと感じるようになってきました。
ここまで相当歩いてきていることに加えて、夜行バスでの寝不足が効いているのかななどと思いつつ少しずつ前に進みます。
腕時計が示す高度が少しずつあがっていくのが励みです。
それにしてもこんな調子だといつ槍ヶ岳にたどり着けるんかなと思いましたが、天狗原分岐到着が13:15。

あれれ?
こんなにゆっくりなのに、ほぼコースタイムどおり。
さらに登った所には雪渓の急斜面のトラバース。

ちゃんと段がカットされていますが、足を滑らせると100mは滑落するのは確実なので慎重に渡ります。
下を見ると、こんな感じ。

ここを過ぎて10分ばかり登ると...

小屋だぁ~!

時刻は14:12。
位置的には殺生ヒュッテと思われます。
あと少しだと思ったのですが、見た目と違って殺生ヒュッテと同じ高さに達するまでになんと1時間近くかかったのでした。
殺生ヒュッテを目標に、重い体を動かしていくと、今度は

行く手のガスの中に大きなとんがったピークが見えました。
ヤッター!初めて槍ヶ岳が目の前に姿を現しました。

しかし、ここからがこの日一番の苦しい時間でした。
やはり酸素の薄さが影響しているようです。
加えて槍ヶ岳から強風が吹き降ろしてきて、体を押し戻そうとします。
標高にして10mか15m歩いて、道端の岩の上に腰を下ろして、ハアハアと荒い息をつくものすごく苦しい登りです。
殺生ヒュッテと同じ高さまで登っても槍ヶ岳山荘のある槍の肩までまだまだありそうです。

ですが、ここまで来たらなんとしてでも槍ヶ岳山荘に泊まりたいところ。
重い体を引きずるようにヨタヨタと前へ進みます。

後ろを振り返ると
手前は殺生ヒュッテ、奥がヒュッテ大槍、その向こうに常念岳が見えます。
そしてついに15:55に槍の肩に到達!

ついにたどり着いたという喜びとこれ以上登る必要はないんだという安堵の気持ちが入り混じります。
槍の肩はかなりの強風が吹いていて、槍の穂先はガスに覆われ、たまに姿が見える程度という状態です。
穂先に登るにしても登らないにしても、小屋の受付を済ませて荷物を降ろすのが先です。
受付で指定された寝場所はカイコ棚の上の段。
カイコ棚は1段に6人就寝できるようになっていましたが、この日は余裕があったらしく4人が寝ることになりました(右隣が空いていたのでゆったりできました)。
天候もいまいちだし疲労も著しいので、さすがに今日は槍の穂先の登頂はパス。
とりあえず当初の目的である槍ヶ岳山荘に1日でたどり着いたということで、缶ビールで乾杯!
生ビールが飲みたかったんですが、あまり酔うと高山病になりやすいらしいので、明日の双六小屋まで我慢。
天気予報は明日は晴れ時々くもりとなっており、明朝になったら天気、肉体共にコンディションが回復しているであろうことを期待します。
(つづく)
ここまで平面距離では行程の2/3以上来ているのですが標高差では1/5(1500m→3100mのうち300m)しか稼いでいません。
ということで、ここから先はかなり厳しいと予想されるので、槍沢ロッジでヘリの荷揚げ(冷蔵庫も揚げてました)など見物しつつ30分の大休止。
槍沢ロッジから少し進んだ所にこんな場所が。
後で聞いたところでは字が書いてある岩に登ると槍ヶ岳が見えるんだそうです。
(さすがにこの日はガスって見えなかったと思いますが)
さらに進むとババ平のテン場があります。
ここから先では雪渓が間近に見えるようになります。
ただし、こんな場所もあるのでうかつに雪面上を歩き回ってはいけません。
と思っていたら、出ました!
雪渓歩き。
数百メートルが2ヶ所。
滑らないように注意して慎重に足を踏み出さないといけないので結構疲れます。
2ヶ所の雪渓を超えたあとはかなりの疲労感を覚えました。
しかもこのあたりから傾斜も急になってきて少し登っては休みの繰り返し。
周囲の景色はアルプスらしさを増してきましたが、槍ヶ岳はいったい何時になったら見れるんだろうか?
道端にはお花畑が広がり心を癒やしてくれます。
ミヤマダイコンソウ
ミヤマキンポウゲ
シナノキンバイ
花を見ながらひと息入れて、さてと立ち上がり歩き始めましたが体が重い。
ザックもなんでこんなに重いかなあと感じるようになってきました。
ここまで相当歩いてきていることに加えて、夜行バスでの寝不足が効いているのかななどと思いつつ少しずつ前に進みます。
腕時計が示す高度が少しずつあがっていくのが励みです。
それにしてもこんな調子だといつ槍ヶ岳にたどり着けるんかなと思いましたが、天狗原分岐到着が13:15。
あれれ?
こんなにゆっくりなのに、ほぼコースタイムどおり。
さらに登った所には雪渓の急斜面のトラバース。
ちゃんと段がカットされていますが、足を滑らせると100mは滑落するのは確実なので慎重に渡ります。
下を見ると、こんな感じ。
ここを過ぎて10分ばかり登ると...
小屋だぁ~!

時刻は14:12。
位置的には殺生ヒュッテと思われます。
あと少しだと思ったのですが、見た目と違って殺生ヒュッテと同じ高さに達するまでになんと1時間近くかかったのでした。
殺生ヒュッテを目標に、重い体を動かしていくと、今度は
行く手のガスの中に大きなとんがったピークが見えました。
ヤッター!初めて槍ヶ岳が目の前に姿を現しました。
しかし、ここからがこの日一番の苦しい時間でした。
やはり酸素の薄さが影響しているようです。
加えて槍ヶ岳から強風が吹き降ろしてきて、体を押し戻そうとします。
標高にして10mか15m歩いて、道端の岩の上に腰を下ろして、ハアハアと荒い息をつくものすごく苦しい登りです。
殺生ヒュッテと同じ高さまで登っても槍ヶ岳山荘のある槍の肩までまだまだありそうです。
ですが、ここまで来たらなんとしてでも槍ヶ岳山荘に泊まりたいところ。
重い体を引きずるようにヨタヨタと前へ進みます。
後ろを振り返ると
手前は殺生ヒュッテ、奥がヒュッテ大槍、その向こうに常念岳が見えます。
そしてついに15:55に槍の肩に到達!
ついにたどり着いたという喜びとこれ以上登る必要はないんだという安堵の気持ちが入り混じります。
槍の肩はかなりの強風が吹いていて、槍の穂先はガスに覆われ、たまに姿が見える程度という状態です。
穂先に登るにしても登らないにしても、小屋の受付を済ませて荷物を降ろすのが先です。
受付で指定された寝場所はカイコ棚の上の段。
カイコ棚は1段に6人就寝できるようになっていましたが、この日は余裕があったらしく4人が寝ることになりました(右隣が空いていたのでゆったりできました)。
天候もいまいちだし疲労も著しいので、さすがに今日は槍の穂先の登頂はパス。
とりあえず当初の目的である槍ヶ岳山荘に1日でたどり着いたということで、缶ビールで乾杯!
生ビールが飲みたかったんですが、あまり酔うと高山病になりやすいらしいので、明日の双六小屋まで我慢。
天気予報は明日は晴れ時々くもりとなっており、明朝になったら天気、肉体共にコンディションが回復しているであろうことを期待します。
(つづく)
Posted by あいあん at 22:33│Comments(2)
│山登り
この記事へのコメント
おはようございます。
雪渓のトラバースやら『これぞアルプス』って感じですね^_^
続きが楽しみです。
ゆず吉も今夜から北アルプスに出動してまいります! (^ー^)ノ
雪渓のトラバースやら『これぞアルプス』って感じですね^_^
続きが楽しみです。
ゆず吉も今夜から北アルプスに出動してまいります! (^ー^)ノ
Posted by ゆず吉 at 2015年07月31日 08:30
●ゆず吉さん
雪渓のトラバースなんてなかなかありませんので、良い経験でした。
今日出発ですか。
天気も良さそうだし、ザイテン上部の雪もなくなったみたいですから、奥穂高岳登頂いけそうですね。
よい山行を!
雪渓のトラバースなんてなかなかありませんので、良い経験でした。
今日出発ですか。
天気も良さそうだし、ザイテン上部の雪もなくなったみたいですから、奥穂高岳登頂いけそうですね。
よい山行を!
Posted by あいあん at 2015年07月31日 12:25